ヒューマンドラマ

2024年03月17日

「コットンテール」は、父・息子の関係修復物語。じわっと泣かせます。

パトリック・ディキンソン脚本・監督の「「コットンテール」が公開され観ました。亡き妻がとりなす父親と息子の関係修復の物語で、一見地味ではありますが味わいのある映画でした。東京在住の60代の作家大島兼三郎(リリー・フランキー)の最愛の妻、明子(木村多江)がつらい闘病生活の末に息を引き取る。埋めようのない喪失感に打ちひしがれた兼三郎は、生前の明子が寺の住職に託した一通の手紙を受け取る。そこには、明子が子供の頃、両親と共に訪れたイギリスのウィンダミア湖に、自分の遺灰をまいて欲しいという最後の願いが記されていた。兼三郎は、遺言を叶えるために、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮)とその妻さつき(高梨臨)、4歳の孫エミと共にイギリスへ旅立つ。しかし、互いにわだかまりを 抱えた兼三郎と慧は、事あるごとに衝突し、単身ロンドンから湖水地方に向かった兼三郎は、田園地帯で道に迷い途方に暮れる。運よくそこで出会った地元の家族に助けられ目的地に辿り着く。息子家族も心配になり後を追って目的地に着き父兼三郎と出会う。そこで唯一残っていた記念写真をもとに場所を特定し遺言通リ親子で遺灰を撒くのでした。そこには親子のわだかまりは、消えていました。




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2024年03月08日

アカデミー賞5部門ノミネート「落下の解剖学」疑念の法廷劇に没入!?

今年のアカデミー賞に作品賞など5部門にノミネートされている「落下の解剖学」が公開されていて早速観ました。フランスの雪深い山中にひっそりと立つ瀟洒な山荘。ある日、家の前の白い雪の上に、鮮やかな青色の服を着た男が頭から血を流して倒れているのが発見される。死亡したのは、教師の傍ら作家を目指していた夫サミュエル(サミュエル・タイス)。売れっ子作家のドイツ人妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)、視覚障害のある11歳の息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)、愛犬と暮らしていた。捜査の結果、転落事故は、除外され、自殺か妻による殺人と断定。夫のせいで起こった事故による息子の障害以降、夫婦間で教育に関する意見の相違が起こり、夫の精神障害と薬物服用が悪化する。そして夫婦の才能の差と妻の創作の秘密が明かされ、嫉妬や憎しみにまみれた男女の内面を曝け出すのです。ラストに裁判の決着が示されるのですが果たして・・。法廷劇を通じ人間の本質や本音を追求して見せる所が評価を高めた所以と察します。監督は、ジュスティーヌ・トリエ。


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2024年02月24日

「コヴェナント/約束の救出」軍曹と通訳の固い絆に感激!?

ガイ・リッチー監督、ジェイク・ギレンホール主演の「コヴェナント/約束の救出」が公開され早速観ました。緊迫の連続と命を賭けた友情を描き感銘しました。舞台は、2018年3月のアフガニスタン。米軍のジョン・キンリー曹長(ジェイク・ギレンホール)は、タリバンの武器製造工場を暴き、破壊する任務を負い、米軍に雇われた通訳アーメッド(ダール・サリム)と行動を共にする。ある日、発見した武器製造工場で、米兵とタリバンの銃撃戦となる。生き残ったのは、深手を負った軍曹と通訳の2人。タリバンは、血眼になって2人を追う。米軍基地まで100キロを通訳は、軍曹をリヤカーに乗せて必死に引っ張って脇道を行軍。ようやく米軍に発見され助けられる。その後2人は、バラバラになるが、米国の自宅に戻った軍曹は、命の恩人の通訳のその後が気になり居ても立ってもいられず、行動に出る。果たして軍曹は、アフガニスタンで身を潜めて生きている通訳を救出出来るのか?国籍・人種を超えた義理人情に感動。そしてスカッとしたラスト。見事な作品でした。




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2024年02月05日

「ダム・マネー/ウォール街を狙え!」個人投資家たちの大逆襲が痛快!?

「ソーシャル・ネットワーク」の原作者ベン・メズリックのノンフィクションを映画化した「ダム・マネー/ウォール街を狙え!」が公開され早速観ました。なけなしの身上をはたくネット上の小口投資家たちが、株価を操る大富豪の投資家に一泡吹かせる話で、痛快です。コロナ禍真っ只中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株に注ぎ込んでいた。実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は、業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは、”ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りして一儲けを目論んでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被ることになる。やがてSNSに集まった無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻すのだった。このニュースは、連日メディアを賑わせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースに米議会の下院金融委員会からオンライン公聴会に召喚されることになった。果たしてキースは、この窮地をいかなる証言で乗り越えるのか・・・。監督は、クレイグ・ギレスピー。弱いものに注ぐ暖かさ、前向きで希望を持てとのメッセージが込められているようです。


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2024年01月28日

「哀れなるものたち」エマ・ストーンのアカデミー主演女優賞最有力!?

今年のアカデミー賞に11部門でノミネートされている注目作「哀れなるものたち」が公開され早速観ました。スコットランドの作家アラスター・グレイの小説を映画化したもので、奇抜な設定で、前知識無しで観ると前半いとも奇妙に感じます。若いベラ(エマ・ストーン)は、橋の上から身を投じ命を絶つが、天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)と助手マックス(ラミー・ユセフ)によって何と身ごもっていた胎児の脳を移植され奇跡的に蘇生する。屋敷内に閉じ込もって生活を強いられていたベラは、世界を自分の目で見たいという強い欲望にかられ、弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われ世界への旅に出る。やがてベラは、多くの知識を吸収し時代の偏見から解放され急成長を遂げていきます。そして自分の力で真の自由と平等を見つけていくのです。両肩を膨らませた豪華絢爛の衣装も見物です。ベラの成長過程で赤裸々な性交シーンが度々出て来ますがベラ役のエマ・ストーンは、必要なシーンであると述べているようです。正に体当たり演技と言えます。ラストは、思わずにっこり。監督は、ヨルゴス・ランティモス。エマ・ストーンのアカデミー主演女優賞最有力と予想します。


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