時代劇

2023年12月05日

北野武監督作「首」は,見応えありました。必見!?

北野武監督の「首」が公開され早速観ました。戦国時代、天下統一を目指す織田信長(加瀬亮)と有力家臣たちの生きざまを血腥く、滑稽で、虚無的な暴力が横溢する時代劇です。タイトル通リ生首が晒されるシーンは脳裏に強く刻まれます。物語は、信長の家臣・荒木村重(遠藤憲一)が反乱を起こし姿を消す。信長は、明智光秀(西島秀俊)、羽柴秀吉(ビートたけし)ら家臣に村重の捜索を命じる。秀吉は、主君の信長と光秀を陥れ、密かに天下を獲ろうと企んでいた。村重の行方が分からず苛立つ信長は、村重の反乱の黒幕が徳川家康(小林薫)だと考え、光秀に家康の暗殺を命じる。だが,秀吉は、家康の暗殺を阻止することで信長と光秀を対立させようと目論む。家康を排除したい信長は、京都・本能寺に茶会と称して家康をおびきよせる計画を光秀に漏らす。信長を討つ千載一隅の好機を得た光秀は、ついに信長の”首”を獲る決意を固める。武将たちの野望が本能寺に向かって動き出す。信長の家臣に対する扱いが粗暴で墓穴を掘った感じ。加瀬亮の演技も印象的です。


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2023年07月06日

「大名倒産」奇抜な時代劇。上出来の作品です。必見!!

ベストセラー作家・浅田次郎の小説を実写映画化した「大名倒産」が公開されていて観ました。時代劇も色々切口があって中々面白かったです。越後・丹生山藩の鮭売りで小四郎(神木隆之介)の育ての親、間垣作兵衛(小日向文世)は、ある日、小四郎に衝撃の事実を告げる。それは、先代藩主の一狐斎(佐藤浩市)の子で松平小四郎だというのだ。藩から迎えが来て否応なく藩主となった小四郎だが、藩の財政は、借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だったことが判る。一狐斎は、藩を救うため「大名倒産」を小四郎に命じるが、実は全ての責任を小四郎に押し付け切腹させることで決着を図ろうとしていた。窮地に追いやられた小四郎は、幼馴染のさよ(杉咲花)や、兄の新次郎(松山ケンイチ)、喜三郎(桜田通)、家臣の平八郎(浅野忠信)らと共にけちけち出費に努めると共に、おかしな出費が無いか帳簿を徹底的に調べさせる。そこで大坂の豪商で両替商の天元家女主人(キムラ緑子)と幕府老中首座・仁科摂津守(石橋蓮司)が、裏で金に絡んでいることを突き止める。そんな中、江戸幕府は、倒産を図っているという疑いを持つ。果たして小四郎はこの窮地を乗り越えられるのか。監督は、前田哲。




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2023年02月06日

「仕掛人・藤枝梅安」善悪共存の人間味を堪能!?

池波正太郎の時代小説を映画化した「仕掛人・藤枝梅安」が公開されていて早速観ました。表の顔は有能な鍼医者だが、裏の顔は金で悪人を葬る仕掛人。その藤枝梅安を演じるのが豊川悦司。梅安は、仕掛人の元締・羽沢の嘉兵衛(柳葉敏郎)から料理屋・万七の内儀おみの(天海祐稀)の殺しを依頼される。後添えとして店に入ったおみのは、見栄えの良い娘に雇い客ををとらせていた。万七の様子を見に行った梅安は座敷女中のおもん(菅野美穂)と深い仲になり店の内情を聞き出す。裏では、全て旗本・嶋田大学(板尾創路)が権勢をふるい悪行を重ねていたのだった。嶋田は、手籠めにしようとして拒まれたお千代(井上小百合)と助けに入った家来の石川友五郎(早乙女太一)に刺客を送る傍ら万七のおみのに手を付けていた。見かねた梅安は相棒の仕掛人・彦次郎(片岡愛之助)と共に金銭に関わらず決着を付けようとしていた。そんな中、藤枝梅安とおみのの関係が明らかになって行く。果たして結末は・・・。豊川悦司と片岡愛之助の相棒コンビが良いです。監督は、河毛俊作。エンドロールが、次作のさわり部分が出て来ます。見逃さないよう。




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2023年02月05日

「レジェンド&バタフライ」は本格的時代劇の風格。必見です。ラストも良いです。

東映設立70周年記念作品と銘打った時代劇大作「レジェンド&バタフライ」が公開されていて早速観ました。タイトルのレジェンドは織田信長、バタフライは蝶の様に華麗に自由に生きた妻の濃姫を指している。久しぶりの本格的大作時代劇を観ました。1549年、父、斎藤道三(北大路欣也)から織田信長(木村拓哉)に輿入れを命じられた濃姫(綾瀬はるか)は、密かに信長暗殺を目論む政略結婚で全く気が合わない関係だった。ある日美濃で内乱が起こり、父斎藤道三が命を落とす。自身の存在意義を失い自害しようとする濃姫に、信長は再び生きる意味と場所を与える。一方信長もまた大軍に攻められ窮地に立たされた時、濃姫にだけ弱音を吐く。自暴自棄になる信長を濃姫は鼓舞し、今川義元との桶狭間の戦いで奇跡的に勝ち抜く。これを機に夫婦の絆が出来、いつしか天下取りが二人の目標となる。しかし、いくさが続く内、比叡山延暦寺焼き討ちなど非情な魔王へと変貌していく信長。濃姫は引き止めようと心を砕くが、運命は容赦なく本能寺の変へと向かっていく。1,582年、天下取りを前に腹心明智光秀(宮沢氷魚)の軍勢に取り囲まれた織田信長。最後の本能寺の変は、映画「ラ・ラ・ランド」のラストを想起させます。観てのお楽しみです。木村拓哉も綾瀬はるかもいい味を出していました。監督は、大友啓史。


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2022年06月19日

「峠 最後のサムライ」本格時代劇として傑作誕生。必見!!

延び延びになっていた役所広司主演の「峠最後のサムライ」が漸く公開になり早速観ました。本格派時代劇として近年抜きん出た傑作誕生と言える作品でした。司馬遼太郎原作を「雨あがる」「蜩ノ記」の小泉堯史が脚本・監督を務めている。慶応3年(1867年)徳川慶喜の大政奉還により江戸の世が終わり、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに諸藩は官軍側の西軍と幕府側の東軍の間で戦(いくさ)が始まる。越後長岡藩の家老、河合継之助(役所広司)は「小藩と言えども他を頼まず独立自尊、自らの力を信じる以外に藩の生きる道はない」と意を決し、武装中立を目指し、民の暮らしを守るため戦いを避けようとする。だが、和平を願って臨んだ官軍との談判は決裂。継之助は、徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。継之助の妻おすがに松たか子。長岡藩主、牧野雪堂には、仲代達矢。無名塾の師弟関係の絆がそのまま反映されているのが興味深いです。物語は、現在の日本や世界情勢にも通じ、意義深いものに仕上がっています。小泉監督は、黒澤明の助監督を務めていたという経歴の持ち主で、そのスペクタクルシーンも注目です。




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